狭小敷地に建つ木造3階建て住宅
狭小敷地に建つ木造3階建て住宅
立地条件
施工:ABEKEN株式会社
盛岡市南部、大沢川原地内に計画された住宅は近隣商業、準防火地域の他市街地景観地域
の景観形成重点地域と河川景観保存地域に指定されている。
近くには市内の粗中心を南北に流れる中津川があり附近一帯がハザードマップによる床上浸水
区域に指定され両岸がカーブ状石積擁壁に遊歩道と多数の桜並木があり、女子校や市立中学
校が対岸に建ち並び景観的に優れた環境である。
計画敷地は川添より一通り離れた古い町並みの中にある狭あい前面道路に駐車場の余裕の
ない狭小敷地の既存2階住宅を解体し3階建て住宅の差し込み型である。


計画の前提
馴染みの工務店からの紹介によるも大手ハウスメーカ-2社と3社コンペである。幸いにも採用
されることになった。此れまで既存木造2階住宅の1階の増築が10年以上経過して古く、部分の
解決では生活の機能・快適性に不便を強いられ特に温熱環境が満足できなくライフスタイルの
変化や社会的多様性に対し3階建案の要望。
それには幾つかの難点を解決しなければならなっかった。河川近くであるが故に大方の予想が
地盤状態が良いとは言え既存住宅を解体撤去し4.0m幅員満たす為の敷地測量図の作成依
頼。前者の地盤調査は既存建物の空いている道路側に2か所のサンプルをとり解体後に再調
査を行った結果次第で基礎設計が軟弱地盤か直接基礎かの指標とした。
計画段階時で準防火地域内の木造3階建て関連の法規制をクリアすることが重要である。


配置・平面計画
北側前面道路より5.5mセットバックし法緩和された敷地に南北軸を設定した通路幅を確保し
ながら北軸両側に駐車場を2台分を設け北側敷地の狭さから1台を奥に2階部の2,730mを
ピロティを当てた。使い勝手による玄関ホールから1階と2階に別々アクセスする。南軸線上は
居室群を中庭に向かい南面配置している。2階を生活の中心に据え、そこから1階または3階
主寝室、洋室への動線。中庭に面した2階LDKを中心に西側に個室を配しLDKの北側に洋室
を二間連続しLDKに広く長い繋がり展開できる。
キッチン以外の水回り部を一纏め3階ゾーンの利用し易い単純動線としている。1階は趣味と
来客用に用意した開放的なワンルームの大きな空間の中に簡素なキッチンコーナーがあり南
側の現在の倉庫は将来別用途として採光、排煙を確保した居室扱いである。
南側軸線端の庭は隣地建物三面に囲まれた中庭である。3階建てにより建蔽率の余裕が生まれ
北側空地を駐車場そして南側を中庭空間に利用する。以前より大きくなったプライベートな中庭
は住宅内部を通り抜ける通風経路、自然光、日照のダイレクトゲインとして機能する一方解放感を
呼び息抜き空間として各階の室内と融合した心地好いシースルーの空間を演出している。敷地の
形状から東西の隣家との外壁間が狭く法的に採光・通風が全く得られない状況である。南北軸に
沿った室内空間構成は中庭を介して生活に潤いを与える。以前にも増して広くなった魅力的な中
庭の整備を期待したい。
狭小敷地に建つ住宅は外皮断熱の性能に偏りがちで周辺環境を余り意識しない閉ざされた箱形
に終始しオープンスペース等が確保され難い。土地のポテンシャルを生かしたいものである。
この計画では50%以上の建物以外の空間利用は周辺環境を含めた住宅評価値を上げる
ことに繋がる。
意外にも3階主寝室より3方向で囲まれた隣地の外壁隙間からの屋根越に川の眺望が得られ、
中庭と中津川が繋がっている証しである。

木造3階建て準延焼防止建築物
H30年改正建築基準法により建築確認申請書、建築基準法61条の規定の適用により準防火
地域内の火災時に対応する木造建築物である。延焼ラインの屋根、外壁防火、軒天、開口部
その他の防火仕様規定が定めてある。また法第136条第2第二号ロに規定。また告示194号
第4号第一号イに規定する。
その他参考例:換気 第3種計画換気 MSデマンド換気システムの不燃排気ダクトを使用。
話は逸れるが筆者の予想で恐らく此れまでの大火で近年の例を挙げるとH28年12月新潟県
糸魚川市大火により延焼140棟をだした背景の教訓から火災に対する技術的水準や今後の
予防策から新たな施行に踏み切ったのではないかと思われる。
開口部を考慮する際、断熱・気密性能で苦労する。とりわけ寒冷地の省エネ窓はPVCサッシ
が主流でガラス性能がペア、トリプル(3重)があるが可能な限りライフサイクルコストバランス
の観点から後者の仕様を筆者は心がけている。
PVC防火窓は2階建て Type EC 準遮炎性能 3階建て Type EB遮炎性能に分別され大臣
認定を取得している。サッシメーカ-カタログはTypeEBの開口バリエーションを多くし2階建
の用途に対応できるようにし網入りクロスから網なし特殊ガラスの工夫、探求心は大いに歓迎
でき今回採用している。
様々な開閉機能を持つサッシを使用により合理的に使い分けることが必要である。隣地境界
の離れの小さい開口部特に1.0m未満には嵌殺しもしくは水回り0.2㎡の限定された開口部
や自動閉鎖機能装置もしくはシャッターのみの使用に限られる。しかも対象面(当該東西面)
に外壁の開口部制限の計算検討でS/K〈1 を満たさないとNGになるが開口部の大きさや個所
数により解決できる。更に壁面10m以上の場合は区切して要検討している。
制限の厳しい項目を一つ一つ解決することが求められ、始めて性能が確保される。

フアイヤーストップ、防火壁、防火天井
文字通り火の延焼を止める。火災が発生した場合自己及び周辺に縦横に火が広がる、この拡散
する火を抑制して大きな火災にならないように建物部位の工夫が求められる。
外壁の構造、床の構造、内壁と天井の仕上げ材の接合部、防火被覆の取合い部、目地の部分の
裏面の当て木当の構造とする。当て木当で取付け火気の侵入を防止し入念な施工を要する。
また、外壁回りの内部防火壁に設備器具を取り付けに(大臣認定)防火被覆装置コンセントボック
を取り付けている。照明器具の選定には防火面で気を遣うところである。可能な範囲で直付け器具
を選びそれ以外は埋込みである。天井内部に埋込み照明器具の火の侵入防止に二つの方法を取
り入れている。先ずベースライト用大き目の埋込み照明器具は開口補強をして二枚張りベース共
高気密SB器具をGW充填している。

立地条件
施工:ABEKEN株式会社
盛岡市南部、大沢川原地内に計画された住宅は近隣商業、準防火地域の他市街地景観地域
の景観形成重点地域と河川景観保存地域に指定されている。
近くには市内の粗中心を南北に流れる中津川があり附近一帯がハザードマップによる床上浸水
区域に指定され両岸がカーブ状石積擁壁に遊歩道と多数の桜並木があり、女子校や市立中学
校が対岸に建ち並び景観的に優れた環境である。
計画敷地は川添より一通り離れた古い町並みの中にある狭あい前面道路に駐車場の余裕の
ない狭小敷地の既存2階住宅を解体し3階建て住宅の差し込み型である。


計画の前提
馴染みの工務店からの紹介によるも大手ハウスメーカ-2社と3社コンペである。幸いにも採用
されることになった。此れまで既存木造2階住宅の1階の増築が10年以上経過して古く、部分の
解決では生活の機能・快適性に不便を強いられ特に温熱環境が満足できなくライフスタイルの
変化や社会的多様性に対し3階建案の要望。
それには幾つかの難点を解決しなければならなっかった。河川近くであるが故に大方の予想が
地盤状態が良いとは言え既存住宅を解体撤去し4.0m幅員満たす為の敷地測量図の作成依
頼。前者の地盤調査は既存建物の空いている道路側に2か所のサンプルをとり解体後に再調
査を行った結果次第で基礎設計が軟弱地盤か直接基礎かの指標とした。
計画段階時で準防火地域内の木造3階建て関連の法規制をクリアすることが重要である。


配置・平面計画
北側前面道路より5.5mセットバックし法緩和された敷地に南北軸を設定した通路幅を確保し
ながら北軸両側に駐車場を2台分を設け北側敷地の狭さから1台を奥に2階部の2,730mを
ピロティを当てた。使い勝手による玄関ホールから1階と2階に別々アクセスする。南軸線上は
居室群を中庭に向かい南面配置している。2階を生活の中心に据え、そこから1階または3階
主寝室、洋室への動線。中庭に面した2階LDKを中心に西側に個室を配しLDKの北側に洋室
を二間連続しLDKに広く長い繋がり展開できる。
キッチン以外の水回り部を一纏め3階ゾーンの利用し易い単純動線としている。1階は趣味と
来客用に用意した開放的なワンルームの大きな空間の中に簡素なキッチンコーナーがあり南
側の現在の倉庫は将来別用途として採光、排煙を確保した居室扱いである。
南側軸線端の庭は隣地建物三面に囲まれた中庭である。3階建てにより建蔽率の余裕が生まれ
北側空地を駐車場そして南側を中庭空間に利用する。以前より大きくなったプライベートな中庭
は住宅内部を通り抜ける通風経路、自然光、日照のダイレクトゲインとして機能する一方解放感を
呼び息抜き空間として各階の室内と融合した心地好いシースルーの空間を演出している。敷地の
形状から東西の隣家との外壁間が狭く法的に採光・通風が全く得られない状況である。南北軸に
沿った室内空間構成は中庭を介して生活に潤いを与える。以前にも増して広くなった魅力的な中
庭の整備を期待したい。
狭小敷地に建つ住宅は外皮断熱の性能に偏りがちで周辺環境を余り意識しない閉ざされた箱形
に終始しオープンスペース等が確保され難い。土地のポテンシャルを生かしたいものである。
この計画では50%以上の建物以外の空間利用は周辺環境を含めた住宅評価値を上げる
ことに繋がる。
意外にも3階主寝室より3方向で囲まれた隣地の外壁隙間からの屋根越に川の眺望が得られ、
中庭と中津川が繋がっている証しである。

木造3階建て準延焼防止建築物
H30年改正建築基準法により建築確認申請書、建築基準法61条の規定の適用により準防火
地域内の火災時に対応する木造建築物である。延焼ラインの屋根、外壁防火、軒天、開口部
その他の防火仕様規定が定めてある。また法第136条第2第二号ロに規定。また告示194号
第4号第一号イに規定する。
その他参考例:換気 第3種計画換気 MSデマンド換気システムの不燃排気ダクトを使用。
話は逸れるが筆者の予想で恐らく此れまでの大火で近年の例を挙げるとH28年12月新潟県
糸魚川市大火により延焼140棟をだした背景の教訓から火災に対する技術的水準や今後の
予防策から新たな施行に踏み切ったのではないかと思われる。
開口部を考慮する際、断熱・気密性能で苦労する。とりわけ寒冷地の省エネ窓はPVCサッシ
が主流でガラス性能がペア、トリプル(3重)があるが可能な限りライフサイクルコストバランス
の観点から後者の仕様を筆者は心がけている。
PVC防火窓は2階建て Type EC 準遮炎性能 3階建て Type EB遮炎性能に分別され大臣
認定を取得している。サッシメーカ-カタログはTypeEBの開口バリエーションを多くし2階建
の用途に対応できるようにし網入りクロスから網なし特殊ガラスの工夫、探求心は大いに歓迎
でき今回採用している。
様々な開閉機能を持つサッシを使用により合理的に使い分けることが必要である。隣地境界
の離れの小さい開口部特に1.0m未満には嵌殺しもしくは水回り0.2㎡の限定された開口部
や自動閉鎖機能装置もしくはシャッターのみの使用に限られる。しかも対象面(当該東西面)
に外壁の開口部制限の計算検討でS/K〈1 を満たさないとNGになるが開口部の大きさや個所
数により解決できる。更に壁面10m以上の場合は区切して要検討している。
制限の厳しい項目を一つ一つ解決することが求められ、始めて性能が確保される。

フアイヤーストップ、防火壁、防火天井
文字通り火の延焼を止める。火災が発生した場合自己及び周辺に縦横に火が広がる、この拡散
する火を抑制して大きな火災にならないように建物部位の工夫が求められる。
外壁の構造、床の構造、内壁と天井の仕上げ材の接合部、防火被覆の取合い部、目地の部分の
裏面の当て木当の構造とする。当て木当で取付け火気の侵入を防止し入念な施工を要する。
また、外壁回りの内部防火壁に設備器具を取り付けに(大臣認定)防火被覆装置コンセントボック
を取り付けている。照明器具の選定には防火面で気を遣うところである。可能な範囲で直付け器具
を選びそれ以外は埋込みである。天井内部に埋込み照明器具の火の侵入防止に二つの方法を取
り入れている。先ずベースライト用大き目の埋込み照明器具は開口補強をして二枚張りベース共
高気密SB器具をGW充填している。

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