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佐川アトリエの基本コンセプト
佐川アトリエの設計するエコ住宅は
地域の特性、日照、採光、通風、日射遮蔽などの自然を利用した高度な建築的パッシブ手法で夏冬の冷暖房にかかるエネルギーを自給できる住宅(ゼロエネルギー住宅)を提案いたしております。

まちつくり復興支援その2

碁石復興支援-2(Goishi‐Support)

地域コミュニティはそこに住み続け人々の関係を維持することから始まる。大震災により一変したコミュニティの生活再建、コミュニティ再建を推進することが急務である。多くは被災した先での仮設住宅や見なし仮設住宅で暮らしの再生に取り組む住民のコミュニティ維持と一方では町外からネットワークで被災者の中に溶け込む努力をする人々もいる。また外部支援者が被災コミュニティに寄り添い行政と連携をとりながらより快適な移住環境を高所住宅地に構築して協働の成果が見えてきてる地域もある。

とりわけ2011年10月から災害復興まちつくり支援機構その後に遠野まごころネットの依頼を受けて建築・地域共生デザイン研究室(糸長浩司+藤沢直樹)が関わるようになった。支援機構(日弁連、技術士会、日本建築家協会等の災害支援チームに後者のエコロジカルな視点を加えた大学・研究機関が協働で住民参加型の計画づくりの支援をテーマにを活動を行った成果が見えてきている。         
災害を乗り越え災害復興体験ツアーを企画し広く国民に復興の姿を見てもらおうと努力する被災地域もある。これは長い復興・再生の途上にあることは確かであるしまちづくり構想は震災前のような歴史的生活の潤い、風景と比較するとまちづくり構想は全面的に実現しなく大震災は終結していない。 
                                 
復興まちづくり計画  第二次提言書
~椿寿の浜里づくりを目指して~
潮騒と共に生きる美しいまちを子々孫々!に
2016年2月提出

二次提言書では、住宅の高台移転や災害跡地利用計画の一次提案署を踏まえて地区の将来像を描いたものである。地域内の機運醸成を図り、市と協力し合いながら実現を目指すものである。「潮騒と共に生きる美しいまちを子々孫々!」と名付けられ、以下の三つが揚げられる。

Ⅰ 津浪被災跡地での生業や暮らしの再生に向けた跡地利用戦略
Ⅱ 跡地利用実現に向けた実地体制つくり
Ⅲ 景観や環境、新旧コミュニティに配慮し   
  た高台移転住宅地と再建づくり計画

被災跡地利用では、平泉中尊寺から蓮の株分けを復興農地にビオトープゾーン、地区のシンボルで天然記念物の三面椿がある熊野神社に面する道路沿いの「にぎわい創造ゾーン」(農産物や海産物加工や産直販売施設)、中世の館跡の西舘城址を歴史公園や避難場所とする「歴史ゾーン」、碁石浜を拠点とする「浜の暮し体験ゾーン」に位置付けている。更に避難路の整備、住民主体で取り組めるもの、行政の補助又は行政が主体となる項目に分類されている。
既に2017年から始まった碁石体験ツーリズムは、協議会下の実行組織の浜の停車場碁石プロジェクトチームが担っている。二日間の体験内容は①伝統的な「さっぱ船」で海側からリアス式海岸を巡る観光船遊覧、②景観や環境、新旧コミュニティに配慮した高台移転住宅地見学、③被災した地元住民による体験談と懇親会、④碁石浜を観光やエコツーリズム拠点とする浜の暮しの現地視察の防潮堤の整備などを含む)、⑤渋柿づくりの創作体験などである。

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地区のシンボル、天然記念物の三面椿

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 熊野神社   (津波当時は境内迄押し寄せ神社が床下浸水)

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  伝統式さっぱ船で海側からリアス式海岸を巡るモニターツアー

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  塩蔵加工された碁石わかめを手にするモニターツアー参加者

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地元有志企画で開催した観光モニターツアー、直後に開催されたツアー参加者を交えて浜野停車場 碁石プロジエクト会合   

高台移転住宅づくりでの合意形成

高所移転希望者は当初二三世帯であり、これが実現すると碁石地区内に新たな集落を形成することになる。移転希望者の震災前の暮しや住まい方を継承した。移転地での新しい住まい方、住宅地のあり様を探るべく、計画の段階に応じたアンケート調査とデザインワークショップ(以下WS)を大学研究室で継続的に実施。WSでは住民が理解し易いように再建後のイメージを喚起できる機会となるように模型や図面を使用することを試みている。

高所移転箇所は紆余曲折しながら協議会と大学研究室らで被災集落近くの高台に候補地を決めWSやアンケート調査結果から得た移転希望者の意向を踏まえ移転住宅地の構想案を作成した。当初、市が提案した住宅地構想案を変更した代替案を作成し合意を得た。それを基に、高所移転希望者を対象に代案案に対する評価や合意度合を探るため大学研究室でアンケートを実施した。対象者は高所移転希望者二三世帯(自力再建希望者一七、復興公営住宅希望者六であった。各世帯の住宅再建は宅地の植栽や境界の生垣設置ルール化などの環境、景観形成に係る項目は半数以上の合意が得られた一方住宅の形態については各世帯の状況の違いから半数以上の合意が得られなかった。しかし住宅建設を同じ設計事務所や建設業者に発注することは、被災者が一緒に移転できる点や材料費や設備等の削減による各世帯の負担減につながる点を理解した半数程度の合意が得られた。住宅意匠と素材が統一された街並み形成が期待された。

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まち並みを見る、景観ルールにより道路・敷地境界から2mのセットバックゾーンにシンボルツリー・植栽を用意、各戸に提供された雨水タンクが住戸の片隅に設置している。 

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  コミュニティー再生に向けた復興街びらき

2017年5月5日住民らにより「リアスの丘」と名付けられ、待ちに待った高所移転住宅地の待ちびらきのセレモニーが盛大に行われた。協議会の大和田東江代表、大船渡市長、高台土地を提供した人々、支援機構事務局の佐藤隆雄次長、研究室の糸長浩司、遠野まごころネットの千葉事務局長、「リアスの丘」の各世帯に屋号を揮毫した歌手の加藤登紀子さん、その屋号を織部焼の「屋号陶板」で製作した陶芸家の寺田康夫氏、「雨水タンク」を提供した日本建築学会雨水生活推進委員会のメンバーなど内外の関係者が一堂に会し碁石の復興とコミュニテイー再生を祈願した。

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糸長先生の幅広い交友関係の一人加藤登紀子さん奉仕活動、直筆による屋号を手にし喜ぶ住民、これを陶芸家寺田康夫氏奉仕に制作依頼する。

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加藤登紀子さん右側が陶芸家織部焼の寺田康夫氏

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テープカットに臨む左から大和田会長、大船渡市長、佐藤隆雄氏、糸長浩司氏

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 大和田会長から感謝状を授与する歌手の加藤登紀子さん

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 子供達による記念桜を植える


被災住民と支援者の協働で実に六年の歳月を経て建設された。リアスの丘は碁石のシンボル的な空間となっているし地域の新しい魅力として、また復興の姿を広く発信できるものであろう。しかしながら未だ多くの課題を抱えている。津波跡地の活用では、協議会からの提案は十分に実現されていない。跡地を再生活用した体験モニターリングツーリズムとして手探りで始まっている。今後も支援を引き続き行うことが必要である。

        参考文献  BIOCITY 2018 NO.75 特集 東日本大震災復興の光と影

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乙部プロジェクトその2

エコ・リフォーム ストック形成のための提案
Dot クオリティパス

本計画は古い既存住宅の耐震診断からスタートした。後の調査結果はいつ倒壊してもおかしくな
い内容であった。
改築するには法規制の難しい条件下であること。以前に増改築した経緯がある、できるだけ住み
ながら工事をしたい等の条件でエコリフォームの方法で一致した。住んでる既存間取りをどのよう
に利活用できるか、施主の詳しい要望等を抽出した事項を図面化し見積に精通している設計チー
ムの古川氏+施工者が作成した概算書を提出するが予算オーバーになり施工方法等を検討した。
当初は予算内に納めたいこともありDotプロジェクト級の設備を含めた温熱環境は想定外でした。
しかし折角大掛かりな工事を行うなら温熱環境をDot レベルにしながら現在の親子生活から次
世代の多様な生活の展開に対し住み続ける住宅の家にしたい。
ライフサイクルコストを考えれば初期のイニシャルコストに投資するのがランニングコストを抑え凡
そ20数年でペイできる判断の元で理解を得ている。
設備会社を経営してる都合上高性能設備機器の導入をすることで会社の宣伝効果が期待される
のでDot並みのレベルの外皮断熱計画をした。リフォームは新築時に比べて一般的にコスト高に
なることや、省エネ性能の確認が容易ではないなどの、様々な課題がある。それは人手間のかか
る作業が多い、その為に人件費を抑制するために様々なコストダウンを試みている。その一つは
施主側ができる作業と工務店の専門分野の作業に分けた。既存屋根、内外壁、床と床組等解体
工事を自社でまた外壁のGWの充填、一部床下、外壁と屋根断熱気密シート張りを更に機械設備、
換気設備、電気式輻射低温水暖房やエアコンを直営工事、電気工事もで施主側の直営である。
その結果若い社員、慣れない作業で日数を要したとはいえ経費削減と建築と設備業務の関連、
拡大そして育成に繋がっている。


既存建物を活用しエコリフォームすることはその地域の社会ストック形成のためであり耐震性や
耐久性のある材料、断熱・遮音などの基本的な物理性能を満たした快適性の向上、室内空気汚
染に注意を払いながら、良質な景観に寄与する必要がある。
またエコリフォームの実施により高い水準の省エネ性能が確保されたものが市場で適切に評価
され。ユーザーに選択されるような環境整備を図れることが大切である。

産業構造の変化に伴い生産活動も大きな影響を受けて住宅は量から質の時代のシフトが云われ
てから久しいが利便性、快適背に欠ける建築空間や歴史、文化性の美しさの乏しい都市景観が
支配する状況になっている。持続可能な社会において世代を超えて使い続けられるべき住宅に
価値観を見出したい。

Dotプロジエクトに申請に必要な基準はQ1レベルをクリアすることである。乙部プロジエクトを
申請するため最初に設計者がDotプロジェクトソフトで計算を行った。リフォームは新築の計算と
異なり計算に苦労した。たとえば基礎の断熱計算は一様に基礎断熱のみでなく床下断熱部も
存在すること、屋根断熱をすべてに適合させたが1階で階高が異なる2種類の高さがあるので
外壁断熱計算で難儀した。また、建物の性能基準が熱損失係数Q値からUA値に見直された
こともありDotプロジェクト内の審査委員にだけでなく外部の委託審査茨城県つくば市学園南の
㈱インテグラルのソフトホームズ君省エネ診断で比較検討し整合性を得ている。結果を踏まえ
更に厳密計算シートをDotプロジェクトで再審査した。このようにして評価を得て始めて認定プ
レート、クオリティパスを獲ることができた。
既存住宅のリフォ-ムが増加する中、新築住宅の超高性化住宅と変わらないレベルにできた
地方のストック資産の実例である。
これらは良き理解者である施主の決断の賜物である。住みながらの長い工事期間中は多大な
不便、更には工期の遅れもあり辛抱強く生活したことに敬意を表します。
またエネルギーアドバイザー長土居正弘氏、概算所作成した古川氏そして建築担当の島守女史
と安保棟梁たちに紙面を借りて心より感謝を申し上げます。


クオリティパス編集

Dot クオリティパス認定書



まちつくり復興支援

碁石復興支援(Goishi‐Support)

(有)佐川アトリエ設計事務所 佐川秀雄                                                                      
  
2011年3月11日 東日本に未曾有の大災害をもたらしたM9の地震と大津波、多くの犠牲者を出した大船渡はチリ津波から51年後に死者340人行方不明者79人の大惨事になった。「災害は忘れた頃にやってくる」と言い伝えられてきた警報を改めて認識しなければならない。多くの瓦礫が海に流出沈下した、陸地のそれは夜になると僅かな電灯の明かりだけで無残にも変わり果てた昼間の光景を闇が覆いつくし延々と海の方向に展開する光景を決して忘れることはできない。
         
 途方に暮れる女性達 - コピー

流された家のそばで途方に暮れる女性達
  
2011年5月~9月 JIA岩手地域会の三陸調査会8回(10人程度)に及ぶ参加は沿岸北部から南部に及ぶ沿岸部の被災状況の調査が目的であった。この期間に津波の猛威や軌跡から寄せ付けない人間の無力差を痛感した。しかしリアス式海岸の海沿いに暮す幾つかの集落に津波被害に遭わない有効な手段を見出だすことが出来る。海に面しながら高台の生活で身を守り自然と共存した集落は有機的で美しい景観を醸し出している。この調査を通し幾つかの失われた景観と生活者のために何らかの形で今後のまちづくり復興に役立てたいと考えていた。

災害復興まちづくり支援機構に構成員として参加

2011年10月 震災から8か月余り、災害復興まちづくり構成メンバーであるJIA本部からの要請で岩手地域会による派遣委員を推薦されたのは地元出身の適任者であるとのことだが自分が地元の一助になればと引き受けた。支援先は末崎町の西舘、泊里、碁石、三十刈、中根の集落境界が3地区公民館単位の住民らでつくる碁石地区復興まちづくり協議会(大和田東江会長)である。同協議会は住宅の高台移転や被災利用跡地を考えようと士業関係者等で組織する災害復興まちづくり支援機構や大学教授ら専門家の支援である。地元出身の縁が元で防災専門家の技術士佐藤隆雄氏を中心とした碁石地区の復興まちづくり支援機構Goishi‐Supportとして全幅の信頼と期待を担っていた。
しかし当時は津浪跡の生々しい中、月2回の会合は首都圏出身の専門家10人位で週末に限られ寝食に厳しいものがあった。会合に臨む前に東京検討会議を行っていた。
その都度の会員の経費の問題も取り上げられたが単年度毎に内閣府専門家派遣が認められ様になり此れまでの団体寄付依り支援金の提供だけから解放されるようになった。一方地区民の多くは応急仮設住宅での厳しい生活を強いられている。今後の生活再建が見えなく、方向性も定まらない中、支援機構の存在は心理的に望まれていた。自立再建住宅復興と公営住宅とのコミュニティ、防潮堤の位置と高さは近々の課題に挙げられそれに平行して避難路、後地利用、漁港整備、観光整備、生業、・・・等々、毎回の会合は住宅部会とまちつくりの二部構成で行うがコミセンに集まる住民の顔ぶれは限られて被災者意識に関係なく出席できない人のために協議会ニュースを発行し情報を共有できるように配慮している。また協議会開催に先立って1時間は専門家メンバーが住民の個別相談に応じ一定の効果を上げている。

防災集団高台移転計画
高台土地利用計画は日本大学生物資源科学部糸長研究室+藤沢研究室が中心となり計画、復興公営住宅は木造平屋建コミュニティ重視の住民の総意を尊重し住民代表と幾度も支援機構のメンバーと大学関係者と出向いたことで柔軟な姿勢が伺えるようになり、やがて市が主張していた二戸一を議会で覆すことに繋がる。
防集の敷地は100坪で定められている。大学の聞き取り調査やワークショップ(WS)で従来の住まい条件を把握して将来の具体的計画を抽出するために既存住宅を模型で表現し100坪の敷地でのスケール差を認識してもらった。
住民の合意形成が何よりも重要であるが五部落を一つの高台移転に纏まるまでに何が起こるかも分からない様な紆余屈折を経ている。
東西に走る750mの造成地で登り東側は要望により新たに計画された観光道に、西側下り道路は既存道路に夫々接続する。敷地高低差を南北に2段式造成地と東西に擁壁を伴い雛壇上に配置である。しかし造成工事が進まないとイメージが湧かないこと隣同士の個人の希望ベースもあるので区画割は住民側に委ねることになった。

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また良好な景観形成を醸成するには建築委員会規約を定め希望者には設計・建設を共同発注方式の提案があり以降検討していくことになった。その様な状況に中、JIA岩手地域会の有志、建築家支援集団(後のネイミング:リアスの風)が高台移転の住宅建設に加わる。既に聞き取り・WSで得た抽出データが用意されプロットタイプの低廉な住宅を目指したモデルプランを要求された。これを元にどの様な暮らし、どんな空間で実現するか具体的に住要求をWSスコアシートにまとめられた。
この頃の共同発注希望者は多数あったが高台辞退者や各々の事情から激変し後で分かるが自立再建11戸、共同発注6戸、復興公営住宅6戸のコミュニティよりなる。特記すべきは各戸から遠く海が見渡せるように大きい規模の住宅は山側小さい家は海側に配置する。眺望を妨げられないように道路を挟んで互いにズレた配置にする。また敷地境界からの離れを2.0m確保、緑被計画などの集団規定で統制を図るなど配置上の工夫が行われている。

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デザインWSの様子

敷地に模型を配置し海側への眺望の確認
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復興まちづくり計画 第一次提言書
~椿寿の浜里づくりを目指して~
2013年8月26日提出
2011年10月6日に専門家と共に、今後の住宅移転問題をはじめ、被災地跡の土地利用をどのようにすべきかなどにについて、専門家の支援を仰ぎつつ進めようと云うところから始まった。12月3日第1回碁石地区復興まちづくり協議会を開催し2013年8月25日まで21回に及ぶ協議会を開き話し合ってきた。第1回提言書は、その検討結果をまとめたものである。テーマ別に大きく分類すると
第1章 計画の対象地区と復興まちづくりの基本方針、 第2章 景観や環境、新旧コミュニティに配慮した高台移転住宅団地と再建住宅づくり計画、第3章 碁石地区復興まちづくり計画、第4章-1 気仙は一つ復興広域計画 気仙27城巡り=3・11大震災鎮魂の祈りコース、第4章-2 気仙は一つ復興広域計画 海と大地の悠久の歴史を巡る 太古から縄文、近世まで丸ごと案内ジオパーク
ジオパーク巡り 西コース(鍾乳洞と金山)。

 此れには単なる被災箇所の復旧だけでなく、これを機とした碁石地区全体の総合的な地域再生・活性化について話し合い、様々なアイデイアや将来イメージが描かれている。直接の被災者に限定される計画ではなく全体に関わることで高台移転が済めば御仕舞いと言うものではない。実現するにはそれに向けた精査活動は、一部の人の意見に依らず多くの住民参加による手順を経る手法が後戻りや頓挫を回避できる近年の傾向になってきている。それには地元の住人やゆかりのある皆の協力が無くては始まらない。
一方、提言書の内容を市側に精査してもらっている。協議会の話し合いを通し明確な公共性のあるは公費負担で、それ以外のものに公費で賄える仕組みにするには如何なる方法があるのかまた、優先順位を決めて行うことが実現できる最良の方法であることを話し合っている。これを第2回提言書に織り込みます。


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高所移転住宅地 建築まちつくり協定
2013年12月制定

【基本理念】皆で協議し提案した「碁石地区復興計画」に基づき、コミュニティを重視し、地域に配慮した住宅を建設し閉静な住宅地の形成をし、形成された住環境を住民の手で守っていく。共に生きる豊かな住環境を創造し守り育てることにより多様な世代が共に快適に暮らせるようにまちづくりを進めるものである。建物に直結する主なルールの抜粋は以下に示す。
【建築物等に関するルール】
・建築物の最高高さ10m以下・建築物の敷地の地盤面の変更・建築物の色彩・形態等。
・建築物の外壁後退は2m以上を基準とする。
【植栽・生垣】
・道路に面する場所(道路境界から2m以内)
 には高さ2.5m以上の樹木をシンボルツリーとして1本以上植樹する。連続性のある街並みを実現するために植栽に努め敷地境界等コンクリートブロック等を避け生垣植栽等を設置する。

共同発注方式による住宅つくり

2014年7月 戸建住宅を建設する6戸の住宅建設において、発注者側の誓約書として設計及び施工に関して共同で行うことを目的とし碁石地区高台住宅地戸建住宅建設組合(仮)契約を締結した。(内容略)
組合業務の委託先は共同発注に向けた体制作りした-設計組織のリアスの風LLP(有限責任事業組合)としている。以下の通り。(内容略)
1.共同発注住宅の進め方について
2.共同発注、施工者選定について
3.全体計画の進め方について
4.その他
5.今後の予定
終わりに市内の復興工事が方々で行われている。ここ碁石の高台移転の住宅工事も始まっている。まちつくり計画第二次提案書は2月12日提出されたがまちづくり計画は道半ばである。此れまで多くの人々の支援を紙面の都合上ご紹介できないが感謝の気持ちで一杯である。今後も支援続けることがご恩に報えることであると思います。


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乙部プロジェクト

耐震診断による現状調査

盛岡市南端の市街化調整区域内にある築60年以上の住宅である。周辺には農村風景が多く北上川を見下ろす南斜面の一画に建つ。東西接道が敷地との高低差を生かした庭園を通り玄関に至るとその奥に大きな柿木により母屋と作業小屋が程良く隔てられているのに気付く。用途地域上の建築制限があり此れまで2度の増改築を行った家の耐震診断を行うための調査でる。診断結果の総合評価は劣化度の低減係数0.7、上部構造は倒壊の可能性が高い0.28と算出、この数値は安全とされる1.0以上を大きく下回る。


リノベ計画の前提条件-1

地震による倒壊の危険性の大きい結果が出たので耐震改修を前提に現状生活に合った改修工事を行う。ここで既存間取りの説明をすると南入り玄関に中廊下を繋げ正面奥の階段がある田の字型平面である。平成4年の増改築は西寄りにLDK・キッチン、北側の廊下に水廻を配し寝室、和室に通じる。以前の増築は玄関の既存間仕切り壁に柱を付け加えた二重壁の構造的にはエクスパンション扱いである。屋根は既存の切妻屋根の下に南北夫々勾配を変えながら処理してあった。当時の建物と言えば断熱性に乏しく結露によって木材の腐朽が多いここでも例外ではなかった。

リノベ計画-2、専門分野のコラボレーション

計画平面の纏まった段階で専門分野が担当する。施主、アドバイザー、設計グループ(断熱協力者)、建築施工、電気設備工事、機械設備工事(暖房・換気含む)で構成された。幾度も全体会議を経ながら工事費を提出して予算は絞られていった。
予算の都合と利用頻度から和室二間を残し耐震壁補とサッシを取替え、既存断熱の状態にする。直上部の2階洋室は構造上の問題等で撤去する。これには様々な立場の意見もあるがアドバイザーの長土居氏によると小子高齢化により新築が減少リホーム需要が増える中、多くのケースで家全体の断熱化に限らず部分改修が今後の展開によっては需要が見込めるとの考えである。解体、機械設備、断熱・気密、暖房、換気工事が発注者側により行なわれた例は少ない、会社挙げての意気込みが感じられ建築施工者と一緒なって懸命に施工をしていたので今後の展開に期待したい。


コンセプト

現状生活を踏まえライフスタイルの変化に伴う様に既存間取りの活用性を見出し施主の要望を抽出し、より良い生活の可能性を平面構成の中に見出すことである。それは新たな要求で既存の上部構造を支える柱、梁の入替は限定的であるが総合的判断が必要である。ここでは部屋間を繋ぐ廊下を廃止した結果壁と少ない建具で開放的でフレキシブルに使いこなせる様にしている。また東側和室二間を断熱改修しない閉じたエリアと改修計画による開放的空間に分けている。

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Dot住宅 審査申請書 Format 2016.7.23
プロジェクト名(仮称) 乙部プロジエクト
1 申請者 佐川 秀雄
2 施主名 吉田廣身 温熱環境
3 家族構成 夫婦+息子=3人
4 設計者(設計会社) (有)佐川アトリエ設計事務所
5 施工者(施工会社) (有)山井建設
6 設備設計・施工者(設計・施工会社) 岩手日化サービス(株)
設計コンセプト・技術的工夫・・・自由な表現方法で。
□   写真 (外観:東西南北が判るもの)
□   配置図
□   立面図
□   矩計り図(断熱位置、種類、厚さ、サッシの詳細がわかる図面)
□ 入居者アンケート・・・別紙(Ⅰ年後の提出可) 光環境
□ 暖房設備図(熱源カタログコピー添付の事)
□ 換気設備図
□ 換気ユニット性能曲線が解るもの(カタログのコピーで可)
□ 給湯設備図(熱源カタログコピー添付の事)
□ 熱損失係数計算書(Dot プロジェクト様式) 空気・通風
□ 気密測定結果データシート 環境
□ 付近見取図
□ 基礎伏せ図

7 建設地 盛岡市乙部7-45-1他
8 建設期間  H28・8~H29・3
9 工法・・在来軸組み・2×4・その他  在来軸組
10 敷地面積 ㎡ 1768.02
11 建築面積 ㎡         146.91(199.57)
12 住宅面積 (延べ床面積) ㎡         186.21(240.89)
13 暖房・換気容積 ㎥ 460.92
14 熱損失係数 Q値 W/㎡K 0.9
15 総熱損失 W/K 163.02
16 部位 熱損失 屋根 W/K 17.13
17 外壁 W/K 27.55
18 階間部 W/K 8.65
19 土台 W/K 1.45
20 基礎 W/㎥K 38.89
21 開口部 W/K 44.69
22 換気 W/K 30.15
23 洩気回数 n/50p 0.53
24 相当延べ(計算上)床面積 ㎡ 186.21
25 すき間相当面積 C値 ㎠/㎡ 0.3
26 自然温度差 ℃ 8.93
27     予測 ・・・暖房用灯油消費量 L/年
28 予測 ・・暖房用灯油消費量 L/㎡・年
29 予測 電気エネルギー換 KW/㎡・年 20.05
30 暖房 設計室温 ℃ 21.3
31     性能コスト 604,000円/坪
32
33 断熱仕様 (必要に応じて 材質変更して下さい)
34                                     屋根 GWブローイング
35 外壁 Q1ボード61 +HGW105
36 階間部   Q1ボード61 +HGW105
37                                     土間床部  一部スタイロフォームAT75、HGW100+パフォームガード100
38                                   基礎 一部スタイロフォームAT75
39                                   開口部  PVC(トリプルシャノン)一部ペア
40 ドア 開口部 スエッドドア
41 天窓 開口部 ベルックス
42 換気方式 1種換気 日本スティーベルLWZ‐270Plus
43
44 方位別ガラス面積
45 南  ㎡ 19.86
46 東  ㎡ 3.98
47 西  ㎡ 4.06
48 北  ㎡ 7.96
49 天窓  ㎡ 0.76
50 玄関ドア  ㎡ 3.31
51 小計  ㎡ 39.93
52 単純開口率 21.44%
53 暖房エネルギー消費量(予測)          144.36 MJ/㎡
54 暖房熱源       電気式ヒートポンプ
55 暖房放熱器       低温水パネルヒーター

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AFTER  PLAN

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BEFORE  PLAN


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水害からの守りの家

水害から守る家つくり
「川沿いの家」

1916年8月30日太平洋上で迷走し不穏な動きをしていた台風10号が岩手県大船渡沖に上陸し特に
岩泉地方を中心に甚大な被害に見舞われたことは記憶に新しい。
当時のニュース速報によると過去に類の無い太平洋から直接の上陸経路で雨雲が下閉伊郡や宮古地方
を中心の上空にあり大量の雨に加え遅い速度が更に被害を大きくした。被害報告が次々に発表され明る
みになるが被害にあわれた方々には深く哀悼の意を申します。

大きな地震や台風による大水害等に見舞われてもその都度心配する事が無い様な設計内容であって自然
災害が何時どこから発生するか予測つかないこともあるの心掛けていることは細心の配慮である。筆者の
岩泉町内で担当した建物のケースを述べることで記憶に残したい想いからそれを通して何かしらの参考に
なればと考えました。

最初の頃の施主側との話では建物の被害状況は問題ないと云うので安心していたが10月9日、「1階
の壁に浸水した跡が残っていて床がでこぼこしている。」との連絡を得た。現地に行こうとするも国道
455号が台風被害の影響で通行止である、自分だけ行っても施工者とその協力業者が一緒でなくては改修
作業の方法を見出せないので道路の開通をしばし待つことにした。
施主にその間24h換気を強くするようにお願いした。その後ようやく道路が開通し皆の現地集合が9月
14日である。途中道路の至る所に川の氾濫で道路決壊、崖崩れ被害が多発している多くがすさまずい光景
の連続であり改めて水のエネルギーに驚愕する。一瞬何が起きたのがと現実に振り替えれば傷跡の危険
な場所もあるので所有時間は5割強要した。

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現地で話を聞くと敷地の南面の清水川が氾濫し清水川に架かる橋の桁下に流木が詰り橋の道路両側に
水が溢れた、そのために橋の川上と川下は水位の高低差が生じた。また清水川の南側には幅広の小本川
が氾濫している。平地からは低く大きな川であったが小本川の氾濫には驚きである。大量の水が清水川に
溢れ流れたのである。それ故清水川と小本川に囲まれた密集地は大被害に見舞われていた。二つの川は
町の商店街西側外れで清水川が本流の小本川と合流している。町の中心を流れ普段は流れの穏やかな
清水川は川辺の整備により憩いの環境を創り上げていたが川の氾濫により二階床上まで浸水し一階は
濁流の被害に遭い、ボランティア活動による泥出し作業が行われていた。また道路上には町職員らしき
人が消毒のための消石灰を撒いていた。小本川による
洪水被害は国道455号の沿い上流の安家地区から河口の小本地区の長い範囲に大被害は地区住民達
によるとこれ迄に経験したことのない大惨事をもたらしたという。

何故これ程の被害になったか、発生箇所の8割が岩泉町に集中している、専門家の調査によると、岩泉
町の山間部は岩盤が固く、元々保水力の低い表土層が短時間の豪雨により雨水を含み切れず、広範囲
で土石流や土砂崩れが発生したと分析している。

店街の施主側の駐車場には緊急災害対策派遣による青森県弘前市の水道部の方が給水活動を行って
いて施主側の差し入れの時思わず感謝の言葉をかけた。筆者も何らかの要望があれば大船渡市内の一
部災害復興支援を生かしたお手伝いの用意があるのだがいまのところその機会に巡り逢えていないので
内容により対応可能ですのでお声をかけて戴ければ幸甚です。

話を戻すと南側道路上約1.8 mの氾濫で住宅内に道路から50㎝の床上30足らずの浸水被害である。

住宅概要
商業地域 8/10 40/10→4×6/10=24/10
敷地面積 126.60㎡(49.8t)
住宅構造 1階鉄筋コンクリート+木造2階建 述床面積に車庫・物置41.0㎡を含む325.43㎡(98.4t)

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既に施主側で1階ゲストルーム用途の水を被った襖、障子、畳は処分していた。DKと和室の敷居はDK
のフロアの吸湿した膨張力により和室側に押され変形していた。DKのフロアは膨れ上がりデコボコ状態
である。床コンクリートの水や土砂はなく濁った水の形跡があった程度で壁に水位の跡が見られた。壁
仕上は石膏ボードに珪藻土塗である、一旦濁水に浸した壁であるがカビ発生の様子を見ることにした。
後でカビが生えきたのでボードを途中で張り替え基の珪藻土塗にした。
腰窓下に低温水輻射暖房 PS ヒーターが設置してたが和室の床部分の立上げパネルは床下地の変形
により一旦取外し床下地を取替えて使用するがパネル用配管ジョイントは再使用不可とのこと。

何れ施工者の改修見積提出を待つことになった。ここで断熱は全て外断熱である1階はスタイロフォーム
b3 t75、2階以上は壁・屋根フェノールフォームt65、壁は和室が主である理由があげられる。
1階のRC構造は敷地が崖地で擁壁を兼ねていながら水が幾分湧いていること、敷地が狭く1階分の高い
隣の敷地に和菓子工場の計画条件による。和菓子工場鉄骨2階一部地下述床面積324.78㎡着工
2001年11月、竣工2002年11月、住宅の着工2001年8月、竣工2002年4月である。
前者地下部倉庫に30㎝の浸水があり二重壁の石膏ボードを石膏防水ボードに張替えることにした。

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住宅1階部の鉄筋コンクリート部の浸水が少ない理由は木製断熱玄関ドア部以外の開閉できる開口部
がなくピロティ車庫に面するキッチン西側腰壁部にガラスブロックがあるが割れ難いのと道路南側和室
の腰窓に防犯用の手すり設置によりガラスが割れなかったこと他は小さな辷り出窓に起因する。
車庫奥の倉庫内に当時は深夜電力利用の大きな電気温水器を設置していたが水を被ると使えなくなり
エコキュートのお話をしてたので1,2階の浴室に対応できる容量にしている。

床に浸水した水が引いた理由は設備配管メンテナンス用のトラフの水抜によるものである。また外壁
の被害が皆無に等しいのは打込みした外断熱のスタイロフォームが水分給水しなく通気工法の木胴
縁を全ネジボルトで固定した上にデラクリートセメントボードを張り珪藻土仕上シルタッチEX+ディラ
トップ吹付によるものである。大雨による工場棟からの外部排水と崖の地下浸水を心配していたの
だが工場棟の屋外通路がマンホールに入る際の排水管の排水問題が幾分あり処理されている。

被害見舞いに行った序に住宅の24h換気システムエアロバーコ2台の清掃メンテを行ってきた。
建物の総合保険を掛けていると伺っていたので後に提出された改修工事費見積内容を確認した
後施工者が施主と工事契約し無事竣工にこぎつけた報告を受けている。

最後に今回の事例は順調に行った方であるが一方では残念ながらその様な結果にならない例も
あることを忘れてはならない。筆者が担当した川沿い住宅が東日本大震災により築5年の短い期
間で流失している。昭和八年の三陸大津波に逢い当時の高台移転の名残りで集団地と言われて
いる場所に建設したものだが昭和八年を基にした防災集団移転先は津波浸水区域外であるとする
住民の心のどこかにズレが有ったようである。つまり造成分譲する時にここまでは浸水しないと云う
安心があったと思われる風潮である。ところが八八年後に大津波が来襲している。世代を超えた出
来事である。何年か前にハザードマップ津波想定浸水範囲の看板が存在していたが何も起こらない
長い年月に危機意識が風化した結果表示板が機能していなかったのである。それと想定外の大津
波が重なり後手になった非難で多くの犠牲者が出た。

本題に戻れば今事例は基礎断熱をしている理由から床下換気を設けて無く床下から床上浸水を
免れた好例である。過去にも下水道の水が溢れた時、また近くの小川の氾濫に対し床下浸水の影
響を回避したことがある。基礎立上げ高は400であるが玄関の床が建具納めのため幾分少ないが
ポーチと玄関床と一般床の関係で調整できる。敷地の幾分低い危険な場所にあっては必要最小限
の掃出し開口部であってほしいと考えているし万が一床下土間部に浸水した時のことを考えて釜場
を設けるなどして早期に床下排水を促し床下に湿気が籠らないようにすることが重要である。

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木造3階建K邸計画

木造3階建(低炭素住宅)計画

都内板橋区に住んでいる身内からの依頼である。バブル期に中古を購入してから年数も大分建つので
屋上の雨漏りや設備関係も問題が出てきている。外壁や内部の隙間が生じ寒いので建て替えを前提に
とのこと。板橋区前野町敷地面積60坪未満の鉄骨2階建で長年に渡り夫婦で内装業をしていたが2年
前に病気で夫を亡くし現在次男長女の3人で暮らし、長男は別居生活で、一緒に住み将来世帯を持ち
家賃代を家のローンに充てたい。鉄骨3階建て1階は母親、2階は長男、3階を弟妹用に分け与えなが
らの生活をする。事務所兼住宅の鉄骨2階建て駐車数台分に住んでの体験から導かれた応えである。

用途地域は第一種中高層住居地域60%/160%、準防火地域、他法令 宅地造成工事規制区域
に指定。前面道路幅員13,730 mの中央に遊歩道桜並木により二方向道路がある。間口7,690 m、
東側寄りに隣人所有の3,100 mの擁壁があり貸し駐車として利用されている。また擁壁下の敷地
内の法面状の緑地は恐らくこの住宅の鉄骨基礎工事の残土処理の扱いで積み上げたと思われる大量
の土が存在する。敷地裾に置き崩れないように野石を置き高木や花壇がある。周辺は都市計画規制
のため高い建物がなく隣地建物もそこそこ空きを保ち至って静かな環境の中にある。

配置

前面道路から建物迄7.72mセットバック北側寄りにアプローチまたその中に駐車3台、植込目隠しと
物置で前庭を囲むように玄関に連続している。最小に抑えた平面上の長さが東側に3.0m足らずの
緑のオープンスペースを確保できた。そして北側にサービス玄関を用意している。

配置


平面計画

鉄骨構造の要望であるが平面上鉄骨柱コラムが木造柱に比較して大きくそれを仕上材で覆うと更に大き
くなり扱い難い、階段設置には梁幅の扱いでスマートな納めにならず外皮断熱の難しさまた熱橋の発性
等問題が多い。木造に比して高額な税金や全体荷重が大きくなると基礎工事に及ぼす影響が大きくコス
トアップに繋がるので木構造で行うことを了承戴いた。課題である柱サイズはプランニングの過程に木構
造の柱・耐力壁をバランスよく設けると柱120角で間に合う、それに合わせ梁も120幅がベストの計算
結果が出ている。全体的に南側から居室の採光が望めないため一つは寝室、主要な居室LDと寝室は
東、西から確保しキッチンが付属する。略中央寄りにLDKを配したので通路部分が少ない動線処理で
ある。

玄関にはホールから程よい目隠し壁により1階リビングへ行けるしそのまま階段を上りるスムーズな動線を
用意。1階は寝室と6畳大の洋室と,一つにまとめた洗面・浴室・トイレそしてサービス出入口を設け残りは家
族全員が一同に介する大きいLDKスペースを確保している。
2階は将来の長男家族用に設定しているLDKを挟み東側に寝室、西寄りに洋室(二分割可)、階段に付随
する廊下からアクセスする独立トイレ、洗面・浴室をひとまとめにしている。低い階高の3階2洋室は弟妹用
で勾配天井からなる。階段に併設した共用の納戸、東側に物干しコーナーその一角から屋上への出入でき
る。そして廊下の延長に2階LD上部の吹抜のキャットウオークにアクセスできる。
2階LDKの採光と夏季の暑さ対策のため吹抜を通し窓を開閉すると自然風利用に有効な手段である。

立面

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地盤調査と基礎

現存の鉄骨建物があるため空いてるスペースで予備作業の地盤調査となり本調査は建物を解体後実施
する。予め業者から周辺の状況を知る上で古くからの埋立てエリアに存する資料を入手していた。
関東ローム層で深さが2.0 m程度以上あれば許可の対象になり得るとは聞いていたが地盤調査報告書
はやや似通った軟弱地盤であった。地盤は傾斜した元地盤に地下水が流れそれに盛土を重ね震度の深
い腐敗土である。これが後々不安材料として問題にならなければよいがと願っていた。
しかし木造3階建は建物荷重により地盤耐力に直接基礎は不可能で杭工法によるが柱状改良は地下水
や腐敗土により不可、コスト高になる鋼管杭の認定云々に対する都条例規制に数か月の時間を費やし
た一方で比較的新しい地盤置き換えのコロンブス工法も検討した。杭工事に相当の費用が掛かる。

準耐火建築物--ロ準耐

準防火地域の木三(木造3階)建築基準法上の様々な法規制をクリアしなけばならない。元々防火地域
内の木三が不可能であったが法規制をクレアすれば建てることが可能になった。
外部の開口部は隣地からの離れにより計算が異なる、特に離れ1.0m未満はトイレ、浴室、キッチンの
開閉が必要な小さな面積規制を除けばできない。また開閉や嵌殺し窓の種類により建物四面の各々の
開口できる数値をクリアしなければならない問題がある。外皮断熱に優れているPVCサッシ仕様はメー
カー別に2階3階建用に樹脂性防火窓があり開閉方式とタイプに夫々準遮煙性能、遮煙性能別に分か
れ個別認定番号が与えられている。防火に断熱・気密、耐風圧、水密、遮音の基本性能を持つのでコスト
が随分高いものになっている。

開口部計算


屋上テラス、バルコニー床:シート防水。採用する下地と仕上材にメーカーの防火認定番号を明記する等
の法改正のあとが見られる。

屋根:ガルバリューム鋼板t0.4立平葺、外壁:ガルバーリューム鋼板縦張、一部杉羽目板(延焼の恐れ
のない部分)、軒天:硅カル板t12。内装は階によりまた屋根下の部屋、吹抜、階段により石膏ボード
OR二重張り、強化石膏ボードを準耐火構造別により使用している。

外皮断熱

十年未満毎に繰返す大きな気候変動により大雪や気温の低い日が続くと寒さが身体に沁み厳しい、
一方夏季は連日の猛暑で年齢を重ねると余計身体に負担が係るがと妹が云う。程度の個人差がある。
特に冬季の足元の冷え、上半身の寒さは外気温と室温の相対的な温度の差により温度の高い方から
低い方へ熱の移動で粗雑な断熱下では大きなヒートロスが生じる。夏季の熱貫流は冬の真逆で日射
対策や自然風利用でき夏冬対策は外皮断熱の性能を重視すれば最小の暖冷房コストで快適な温熱
環境が得られる。しかし冬の劣悪現象を長年続けると身体に何らかの支障をきたす。冬の寒さによる
身体の冷えは様々な病気の因子を招くと多くの研究成果で報告されている。
暖房方式a単位住戸全体を暖房する方式 b居室のみを暖房する方式(連続運転) c居室のみを運転
する方式(間歇運転)に分けられ断熱性能の好ましくない例で内外部の自然温度差を補うため bの分
類が一般的に見られ室温の斑がおきヒートショックが起こり易い。

今後望まれる性能は総合的な省エネ躯体と設備による省エネの算定プログラム評価によるとMJ/年
(家電・調理除く)A・設計一次エネルギー消費量  B・基準一次エネルギー消費量 A/Bで除した値
EGI≦1.0を満たすことが必要です, このケースはEGI=0.65
今計画の外皮断熱性能UA値、Q値及び換気、エネルギー結果の計算データは下記の表を参照。
※Qpex Ver ST-3320

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健康維持し増進する住宅

健康維持

健康維持とは日常生活で健康を維持すること、維持は状態や性質を保つことを意味することが多い、
健康な状態を保ち続ける。普段自由行動ができることは健康があって成し得るものです。しかし体に
何かがおきると始めて、その有難さに気付くのです。健康維持ためには食事と運動と睡眠の三つが
とても大事です。また、健康維持のために健康診断を定期的に受けることは早期発見、早期治療の
ために非常に大切です。
健康維持は有効な日頃からの健康管理する心掛けが大切です。健康を支える運動の効果、長生き
するにはそれ自体が目的ではなく、生きがいを実現するために不可欠です。健康を維持するには栄
養、運動、休養に留意し喫煙、節酒に努め健康診断を受けることが重要だと言われています。
それでも歳を重ねると健康状態の維持も難しくなります、もしかしたら生活習慣に問題があるかもし
れませんので自他共にチェックするまた、ビタミン接種のバランスのことも大切な要因です。

健康維持増進住宅 「参考文:健康維持増進住宅研究委員会」
 
この様な背景の中、人生の大半を過ごす生活基盤である住宅において考えてみる。人夫々の居住
ニーズの多様化高度化などに対応して、一人ひとりが真の豊かさを実感できるには生涯にわたり元気
で活動的に生活でき、より健康を増進させるようなアメニティ(amenity)の高い住宅環境が
求められています。

アメニティとは人が建物・場所・気候・風土などの環境に対して感じる、快適さや好ましさに関する総合
的概念。特に住宅の居住性・快適さの良さをさすことが多い。

このため、国交省住宅局では、建築学、環境学、医学、生理学、化学などの垣根を越えて、関連する
産・学・官の協力のもとに、健康維持増進を実現する住宅環境に関する研究を行う「健康維持増進住
宅研究委員会」を設立。

いまなぜこの時期なのか、住宅内の多くの問題や事故が後を絶たない訳があります。
下記の事例集をこの機会に参考にして再考し一助になれば幸甚です。
 
2013年 健康維持増進住宅事例集 (一般社)日本サステナブル協会 発行/創樹社
        介護や身体機能の低下に考慮した、「寒くない家」 掲載
       
      多数掲載の一例ですが健康チエックリスト評価が上位にランクされている。これは施主の
      ご理解とエネルギーアドバイザー長土居正弘氏のご尽力により作成できた結果であり深く感謝
      の意を表します。

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小規模住宅2題

エコな小規模住宅 前九年の家

以前貸家が2棟建っていた盛岡市前九年の敷地にオーナー母娘用と妹がオーナーになり兄妹のため
の借家用に計画した平屋建小規模住宅である。バス通りに面している東側敷地を従来通りの貸駐車場
に残しながら東西2つの敷地に建つ、夫々の借家を解体し敷地を統合後に棟別に敷地分割する計画で
ある。当初は2戸一も想定するが敷地の高低差を如何に吸収するか、相互に重なる壁面が外部に面
しないデミリット、一部2階建てプランにするが面積が大きくなる。生活の様々な局面において状況を
享受できるシンプルにすることで平屋の案に落ち着いた。ロフトを設け引越時の多い荷物を収納しな
がら多用途に備えている。

この地域一帯は地盤状態が悪いことが多く地盤調査デ-タによると敷地西側に自沈層があることが判明
した。上層の自沈層を砕石入替工事を行いべた基礎にした、結果的には別棟の計画が成功している。

前九年配置図
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予算的には夫々20坪未満25坪程度の規模に想定すると間取りの内容がどのようになるか、小屋の
ようにならない様にという施主の期待は小規模な平屋の住宅の模型を見たときから気に入り希望が持
てたようである。それというのは岩手県災害復興のための住宅モデルプランにエントリーした時の模型
を参考にお見せした時刺激的あった様子です。採択された5案の参考例は敷地や形態が異なるが凡
住宅規模を理解しただけたのではと思っている。また既に完成した大船渡市内の20坪の住宅の経験
が糧になっているのは確かである。新たな課題の計画に挑戦する機会を獲ることに感謝の気持ちで
いっぱいだし松園の家の大改修、前九年AP、岩泉のN和菓子工場、N住宅一連の仕事の依頼とご紹
介をいただき大変光栄なことと思っている。このお付合いの始まりは施主の娘さんが仕事上で知り合い
のOさんの住宅から始まる、当時Oさん母息子の二人の建て替えの設計依頼を受けることになるのが
結婚相手のご縁があったのが施主の娘Mさん、家の竣工後の挙式になるがOさんとSさんの関係でそ
れ以来の長いお付き合いになります。
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キッチン等の水回りを高齢者特定寝室近くに設けながら機能的に集約した洗面、トイレを配している。
南入り玄関から居間と東の食堂にアクセスでき食堂奥のキッチンから洗面へ、そして容易に寝室へ
アクセスできる短い動線の工夫である。居間に並列した和室の奥の寝室とは続き間の襖により区切
り法的採光を確保する。家の中心を家族が集まり易いLD・Kに捉えそれに個々の空間が繋がる回遊
式平面で一体感を思わせる。更に食堂の勾配天井が小屋裏のロフトへと展開し狭さを感じさせない
心地良い開放的雰囲気を生んでいる。

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 IMG_3254_201705212024314fa.jpg輻射暖房IMG_3251

将来的なランニングコストの負担を軽減するには生活する日常のエネルギーロスを最小減に抑制し
ながら快適な生活が必要である。特に冬季間の寒さが様々な病気を招くと云っても過言ではなく身体
に対する寒さ対策が重要である。暖房費を抑えながら室内温度差がない室内環境の寒くない健康な
生活を営みたい。
冬季に限らず夏季は屋根または庇の日射遮蔽と自然風の利用によるエアコンも少ない利用で賄える
ようにする。

前九年Qoex<br /> <br />創造性というものは様々な条件、ポテンシャルを例外的な伎倆もしくは状況などではなくて生活のあら<br />ゆる局面において享受するための、一つの手段であるしどう生かすかが重要である。話し合いを重ね、<br />簡単なスケッチ等で問題解決に真摯に向かい合うことがその建築の特徴を喚起するものでありたい。<br />模索しイメージや考え方の成長や変化を共有し合うことが大切であると考えている。<br /><br />当初の外皮断熱仕様は①外側基礎断熱(べた基礎)、②外壁:HGWt105、③屋根:HGWt200、④開<br />口部:PVCサッシペアArlow-E、⑤玄関戸:木製断熱ドア、⑥第3種計画換気(ダクト式)の気密シート<br />先張りのシミレーションを行うが直営事のため施工者のスキルや経験如何により仕様変更になった。<br />工事は施主との長いお付合いの大工さん寄りで依然著者も施主を通じた工事上の知り合いでもあった。<br />そのせいか幾分安心できた。何よりも費用を抑えながらも図面に忠実に丁寧な工事を行うことができた。<br /><br />①は内側基礎断熱(べた基礎)、②軟質ウレタンフォーム現場発砲t9+付加断熱Q1ボードt30、③軟<br />質ウレタンフォーム現場発砲t160、④トリプルサッシ、⑤アルミ樹脂複合K2に変更になりました。特に<br />④の熱負荷が大きいので施主の理解ある合意に基ずく、③は屋根裏利用のロフトや勾配天井そして<br />断熱層内で換気ダクト配管や電気配線と器具埋め込みを断熱層外で行え気密が正確に確保でき断熱<br />性能がアップしながらメンテナンスが容易なメリットがある。⑤木製は浸透性自然塗装劣化によるメンテ、<br />これらの一連の仕様は長い間のお付き合いの実例を通し信頼関係が構築しスムーズに成し得たことで<br />うれしい限りです。<br /><br /><a href=IMG_3100.jpg
ウレタンIMG_3241

内部に関する仕様と工夫
 ①暖冷房方式について
  居間+和室・食堂・キッチンの一体的空間扱いで食堂一角にFF式輻射暖房1台を主暖房とし和室と
  寝室にそれぞれ補助暖房用エアコンを比較的暑がりの対策を兼ねて設置している。和室の掃出窓
  と寝室の腰窓にはダウンドラフト(窓による冷気)を防ぐ断熱障子を壁に引き込み。東西の開口部に
  アルミ庇を取り付け雨避けや直射防止に役立つ。また西側のアパート駐車場側樹皮を用意し日射遮
  蔽と目線に役立つ配慮を用意している。
  竣工後の土間コンクリートの湿気が床下にあり温まり難く長い内に床下にカビが発生するので床下通
  気ガラリや乾燥するまで点検口に除湿機を設置することが好ましい。

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 ②内壁塗材と杉羽目板張りによる汚れ予防と調湿
   内壁はビニールクロス類を避け調湿作用とメンテナンスの容易な珪藻土いり塗装で全体を統一し特
   に汚れ易く擦り傷が付き」易い腰壁に杉羽目板t9でカバーしながら調湿作用と木目の持つ視覚的効
   果を期待している。
  
 ③防音と吸音
   トイレや浴室から発生する壁の騒音対策に壁HGWを充填。慣れない施工者の気密工事であるが室
   内が気密化すると響く音対策に天井や壁で吸音作用する建材を使用する。トイレ、洗面、キッチン等
   は化粧系の有効吸音ボード 、居間・食堂・寝室等はソラートンを張りで仕上げ材と白色系で総一.。


  ④内装用建具と間仕切
   空間を使用目的に仕切る役割にドアや引戸、折戸の開閉作用により木製建具を使用する。建具の
   必要性は視覚的にプライバシーの見られたくない、囲まれてないと落ち着きがない、閉めないと寒い
   等の理由が挙げられるのが廊下を介し部屋と部屋を建具で仕切る生活が少なからず影響して冬季
   は部屋を小まめに仕切り暖かさを保っていたのでしょう。しかし廊下の少ない平面による工夫により
   建具を必要最小限のすっきり感が好ましい。使用方法により身体的に寒さを感じる室内であれば
   必要とされるものである。しかし室内のどこでも寒さを感じない空間つくりをすることが望まれ健康
   的に暮らす上の必須条件であることは言うまでもない。

   これまで木製建具は全て建具屋のハンドメイドによることが通常であったが大震災を機に急激な需要
   と職人不足により納期の遅れやコスト高で既製品に頼るケースが多くなった。つまり既製品で負えな
   い部分の建具をハンドメイドに頼ることにしている。しかし最初から既製品に決めつけている風潮も
   あり住宅固有のつくりではない多くを見てとれることも事実である。 

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 ⑤設備と統合
   給水給湯、暖房配管方式をヘッター配管方式で行う。主に基礎断熱による方法で断熱材を使用の土
   間コンクリートの上にポリブデン管又は架橋ポリエチレン管を個別継手なしの配管でヘッターにより
   集中配管で点検が容易にできる、給湯の冷め難く上凍結の心配が皆無で寿命が長いメリットがある。
   外部への排水はサヤ管を利用すると配管の詰りや交換が容易。 

   給湯機を外部でなく室内に設置し高効率の性能をキープする。高効率エコキュート、石油給湯(エコ
   ファイル)を室内に設置して凍結防止用電源不要とし役15%排熱ロス分の熱量を室内に利用する。
   今回は家族構成2人のケースで経済的にエコファイルのフルオートである。

 ⑥24h換気システム
   小規模住宅の24h換気に要する気積が小さいので国産NJK製 LF‐400DC‐V(潜熱型)第3種
    排気型集中換気システムを採用。ファン性能の速調(ノッチ)を小まめに操作できる利点が
   ある。以前大船渡市三陸町内の自力再建小規模住宅(NGOハビタット支援)でお世話になった
   経緯で再び相談に応じていただいた、小規模住宅用の性能等とコスト面のバランスが魅力。
   
   通常「顕熱式」第3種計画換気を採用しているが小規模住宅の対応に採算面から今一で全熱式の
   それに依らざるを得ない。浴室換気は顕熱式は使用できても全熱式は不可である。前者は湿気の
   多い浴室に排気口を設置し洗面脱衣の換気と除湿が同時にできる。一般的には浴室専用の分散
   排気方法が多くを占る。
   

防集高台に建つ平屋続き/外皮断熱性能

防集高台に建つ既存街並みの連続としての平屋

前回の続きを早く公開しようとするも時間の余裕と仕事の手が空かず大変遅れたことをお詫び申し上げ
ます。

集団移転者のための新造成地は2級河川泊川を県道綾里線が橋が架かる中流付近に存する。依然から住ん
でいた下流付近に、居住地により差異があるが約1.0~1.5km上流の高台に位置する、高低差に平行して
2本の北東南西道路による3段配置構成の総区画数13戸のコミュニティーである。岩手県沿岸地域の防集
高台移転でいち早く造成の完了後待ちわびた住宅の建設がボツボツ建ち始め全ての区画2年程度で完成を
経た。造成から住宅まで早期完成でモデル事業的に行われた経緯があります。土地造成には理解ある数人
の地権者の協力「困った時は皆同じ、助け合う気持ちが大事」の考えと被災者の考えが、他の候補地に比較
すると合意形成がスムーズに解決した例である。
個々の区画割に関し平屋建ての軒の低い家は前面に配置することで造路を挟んで後側に建つ家の視界を妨
げない様にまた下流の海の景色が望めないが北側とアプローチ道路が45度あるので住宅のは向きは南東
南西に配置可能である。そのため前面の家の後姿を最小限の視界に止め道路側の空地を生かす平面が可
能である条件が整っていた。

マスタープランとその後

コミュニティー意識が造成地完成を見ない間でもなく造成工事着工時には抽選に依らず住民相互間の話し
合いにより略決定していた。住民間の相互、取分け家族間の理解のもと隣に誰が住むのか重要であること
からである。それ故専門家支援を受け入れ、家族の要望を抽出し大学側がマスタープランを作成していた、
それにより団地全体に渡り住まい方の近隣相互意識を理解するようになる。平面上にその家族の住まい方
の特徴や規模のそして室内と外部空間の扱い方の一辺が見て取れるのである。さらに景観上の屋根形状や
瓦屋根、軒の出、外壁材の色彩や軸組木造工法による積極的に県産木材の活用で産直生産推奨で地元に
馴染むための一定のルールの取り決めの努力目標とされていたと思われる。

マスタープランは全区画を想定した住みよいまちづくりを目指したコミュニティー計画である。住まいの再
建はこの計画を基に個々の実情に合わせ再スタートへと進んで行ったのである。民間デベロッパー住宅
開発団地の多くは景観形成において規模の大小に関係なくローカルルールを決めて個々の住宅が建設
されてきた例が極少である。今回は大学等の専門家支援の元、一同に住宅再建する機会を得ながら良好
な街並みを形成するように舵を取る意義は重要である。
住宅再建方法は住み手つくり手の関係が多義に渡るのが通常である。一つは人との人との関係、住宅広告
等のメデアによるものと様々なケースがある。今回は大工との直営工事が7戸、地元工務店の設計施工
4戸、設計者による2戸よりなる。各々の特徴は外観で玄関の位置、開口部材の扱い、プロポーション、
屋根と軒天の関係、基礎と外壁その他多くの点でそれとなく分かるものである。様々な条件下でのコミュニ
ティー(共同体)なので景観的に抵抗なく受け入れられる瓦葺屋根で統一されている好ましい景観を見る
ことができる。

全体

県動から


古いまちなみの連続-生かし後世に繋ぐ

震災以前の長い歴史を持つまちなみを構成する伝統的な古い家並みは地域の生活習慣や気候風土、生業
等を軸に建築の平面形に現われている。必要な大きさを間口・桁行の軒数で現わす田の字のシンプル平面
は個室を廊下や縁側で繋ぐ、複数の和室の続き間である。屋主と大工棟梁によるアノニマス的発展の比較
的多人数家族であっても平屋建ての大きな家に住んでたのは有事の時に一同に親戚始め地域の人々が集
まる際に適していた。大きな敷地に複数の小屋、庭を設けた木造架構の開放的な伝統スタイルであった。
庭に長く伸びた軒屋根にマッチする木造と瓦屋根の美しさを理解してきたのであろう。雨、雪、風、塩害か
ら長い間家を守る強い瓦葺の必要性があった。先人たちが多くの屋根を自然と瓦で葺く風潮、多用すること
でコストを低く抑えて瓦屋根の景観を保ってきた知恵を学ばなければならない。昔は焼き瓦ではなく海砂を
セメントで固めた小規模の地元製品が多かったが技術開発と需要により焼き瓦に変化している、震災前に
セメント瓦が点在していたがその多くは震災被害で少なくなっている。

話が昔に戻るが筆者が小中学時にスレート葺屋根も多数点在していたが長い年月で割れ落ちて修理する
職人が年々少なくなりメンテナンスのフオローから瓦屋根に葺き替えると荷重が大きくなり大きな開口部
まわりのたわみによるの建付の問題もあった。またセメント瓦が多かった時代は強度があり滑りにくい利
点を利用して梯子で上りわかめの乾燥するのに適していた。

木造架構と瓦屋根の景観を残す

外観

内部ー1

木造架構を露にする手段はフラット天井にして小屋組みを天井懐として扱うものと異なる。屋根を構成する
梁等の構造部材を積極的に表現しようと高い勾配天井等で豊かな空間が演出できる、その際天井断熱か
屋根断熱またその組み合わせなのかを設計初期段階で考慮しながら外壁断熱材と連続することが重要で
単なる形態のみにならない様に心掛けたい。

外部に木造造架構を露す方法はポーチから玄関、南側寄りのテラスなどに雨避け、直射日光遮蔽、軒下
空間利用と必要に応じて設けられr外と内を繋ぐ中間領域として魅力あるものである。
ここでも柱、梁、小屋組みを積極的表現方法が好ましい環境を創りに寄与する。

震災による瓦屋根の被害が多く見られた、県内によらず新幹線の車窓でも特に棟瓦にその多くを見る。
余震の長期化、それより壊れた瓦の修理に対する人手不足が生じた、瓦屋根は地震に弱いという印象が
植えつけられた感がある。しかし中には被害のない多くの屋根もある。建物が建つ地盤や構造的に問題
がなく瓦の葺く際にしっかり釘固定や多くの役物を部材で確実に固定すると被害が少ないのでそのような
納めになっていないのが実情である。

大きな震災が起きる度に指摘されていたのだが国を挙げて風土を生かした瓦屋根の景観を守るプロジェ
クトが発足し即座に動き始めた。何処に行っても似たような画一景観でなく地域の特長あるものを生かし
豊かで観光的にも魅力ある景観にしようとするものである。それにはまず地域の生産者の努力が不可欠
であり屋根を瓦にすることが効果的である、そのために瓦屋根のガイドラインを作成したのでメーカー、
問屋からの招待による講習会に参加する機会を得た。新たな技術を習得し早速実践することになった。
当初は普及の一端の補助金を活用できたが現在は終了している。特記すべきは棟木にプレス型補強
金物を使用した棟瓦を固定する方法である。それにより従来からの屋根換気を効率よく棟換気で行い
夏季の換気を促すことができるのである。この工法により建物の寿命が長くなり、地震時や台風の強風
被害にも安全できること,いくらでも良くしようと心掛けをもち続けることが大切であり、これまでの経過の
課題を見出すことである種の工夫を凝らし実証することに成功している。

人口減や少子高齢化により新築物件が減少する中、瓦メーカーも需要減による生産規模の見通しで
少なくなっている。地元に流通しているのは愛知県の三州瓦が大勢である。筆者は瓦ばかり使っている
様な誤解を招かれないように、沿岸地方においては許す限り瓦屋根にするように心掛けて金属屋根は
ケースバイケースにより採用している。

img423OPEX庄屋



防集高合・平屋建てエコハウスの建つ敷地

防集高台・平屋建てエコハウスの建つ敷地

前回投稿した記事が仕事の忙しさから長らく開けてしまいましたことお詫び申し上げます。

この住宅の建つ高台移転造成地は岩手県内では早く完成し取分け大船渡市内では最初のものである。

被災者と事状を理解する土地所有者そして支援する大学、行政間の話し合いがスムーズに進んだ結果

である。最終的 に纏まったのは13戸のコミュニテイーである。震災前と後ではどこでも様々な要因で

規模は小さくなっている傾向がある。敷地は依然暮らしていた大きさとは比べものにならない程小さく

区画された規模であるので計画図面段階では困惑していた、国から決められた100坪の上下水道

受完備、敷地高低差による擁壁、道路舗装、敷地内公園等のインフラが全て整備され既存の街並み

や周辺環境に連続しながら調和して住むことが大切である。

東側県道沿いと高く隔たる敷地は北側市道沿いからアプローチできてかっては農業用として利用されて

いたが現在は休田・休畑であった。この様な高低差のある敷地にどのように13戸を配置するか

が大きな課題であったようである。海が見えない土地であるが完成した造成地は既存の2つの接道を

生かしている。県道からは直接車で侵入しないで市道の高低差より2か所アクセスできる。そのアクセス

は3段方式の雛壇造成地を可能にし低い下側道路の両側に区画配置してもう一方の上側アプローチ

道路に3段目の区画で整備されている。一方市道北側道路を挟んで3区画配置されている。10区画

で構成されている

上下2つのアプローチ道路は繋がり団地内を迂回できる。雛壇状の敷地は東の海側と南に開放している。

見えない海側であるが南北の山の谷の視界が開く向こう側に海があるので自ずと心の視界が開いたもの

となっている。そして県道は緩い下り坂で海側へ連なり唯一の泊川が泊漁港にアクセスする市道と並行

して下流の海は差ほど遠くはない、過去の津波が遡上した川の到達点より数百メートル上流である上

それ以上の高台であるので安全安心できる敷地でもある。これらの計画は大学関係者や支援していた

だいたグループ関係者の努力のお蔭で感謝いたします。


次回は当事務所が手がけた住宅をご紹介します。

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プロフィール

佐川秀雄

Author:佐川秀雄

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